北鑑 第四巻

北鑑繪草紙

長三郎吉次 華押

宇宙の創りは無より開闢す。無とは時空及び物質一切是無く、無限の擴間に無質なる重力のみ交差し、無質の縮重力点より大爆烈を起し、その光熱にて微粒の素なる粒子物質生じ、宇宙の星々を創生せり。

生々萬物の如く、星は生死し、その死は宇宙に砕塵となり、暗雲の漂いと相成り、更に數個分岐なして子孫星を造りぬ。恒星は長子にして、惑星は次子なり。亦、衛星は孫星なり。星の死を見たるは、天喜年間にして、吾が丑寅日本国の終焉を兆し、康平五年にその悲運に遭遇せり。即ち、安倍一族の崩滅なり。此の大地は日輪の誕生に餘りし、百萬分の一になる物質にて、兄弟星九星の第三惑星とて誕生せしものなりと、安倍晴明が説きたり。

方位盤八角に造り、圓週三百六十度に四十五度分毎に八等分し、東西南北、四正と艮、巽、坤、乾、四隅配し、八方位に分け、方位の南北を南方を上位にせり。四方八方に二十四山全八角に月毎に回座せる九星を配し、各一角毎に三山に分け、是を二十四山と曰ふ。坎宮は北方四十五度の一角にして、壬子癸艮宮は北東の中間にして、丑艮寅震宮は東方四十五度の一角にて、甲卯乙巽宮は東南の中間にて、辰巽己離宮は南方四十五度の一角にして、丙午申坤宮は南西の中間にて、羊坤申兌宮は西四十五度にて、庚酉辛乾宮は西北中間にて、戌乾亥此の八方になる鬼門は、艮宮丑艮寅方位にて裏鬼門は坤宮未坤申方位なり。東西南北の四門は、朱雀、玄武、白虎、青龍の稱ありて、是れに二十八宿を定む。

東方に角亢氐房心尾箕、北方に斗牛女虛危室壁、西方に奎婁胃昴畢觜参、南方に井鬼柳星張翼軫なり。是大宇宙思考にして、古代より天運を測し暦となれり。

地界の極は南北にのみに地軸ありて、二十四時を以て一日を東西に廻轉し、地界は三百六十五日を以て日輪を圓廻せり。依て是を春夏秋冬に候を四分し、その候に依りて宇宙星座の異なるをも、能く觀測せり。

寛政五年二月七日   秋田孝季

(写眞)1
無質の無限空間に起りし圓心重力に宇宙種生る。

(写眞)2
宇宙種の大爆は宇宙の誕生なり。

(写眞)3
宇宙銀河之星團次順に誕生し宇宙構造成る

(写眞)4
大日輪誕生し九惑星順次誕生せり。

(写眞)5
地球星冷却し大海大陸誕生せり。

(写眞)6
海中に生命體の原種誕生せり。

(写眞)7
海中生物陸地に生々上陸す。

(写眞)8
生々萬物の進化適生す。

(写眞)9
萬物の選生進化と退化、そして崩滅。

(写眞)10
人間の誕生と分布。

(写眞)11
狩猟と漁撈。

(写眞)12
衣食住と耕作。

(写眞)13
国造りと信仰。

以上の繪説を以て今に遺りき。丑寅日本国之古代を想うべし。

人間の山靼より渡り来る創を三十五萬年前と説ける語部録こそ、丑寅日本の實相史なり。亦、歴史の擴なること古代オリエント神々に礎を爲せり。

山靼の道は萬里長城も及ばざる里程にありて、日本一統信仰たるアラハバキ神の發祥地はシュメール王都のギルガメシュ王叙事詩、アラ、ハバキの神に創り、此の地にマデフ住居たる渡民にて傳へられたるものなりと曰ふ。即ち、信仰の基也。

(写眞)14
シュメール アラ、ハバキ神(ルガル)

(写眞)15
ギリシア カオス神(宇宙創造)

(写眞)16
エジプト アヌピス神、ホルス神

(写眞)17
エスラエル アダム、イバ神

(写眞)18
アラビア アラー神

(写眞)19
西北 オーデン神

(写眞)20
天竺 シブァ神

(写眞)21
支那 西王母神

(写眞)22
モンゴル ブルハン神

(写眞)23
丑寅日本 アラハバキ神

是の如く繪説せる如く、山靼交易に丑寅日本国のアラハバキ信仰は成れり。紅毛人国の神とて信仰に於て渡来人の故国信仰自在とせり。依て、丑寅日本に祭らる神々をして、紅毛国傳、大いに相加はりて今に遺るる多し。

寛政五年十二月一日  和田長三郎吉次

北鑑要史繪巻

古代国稱を日本国と號したるは安日彦王なり。東日流と稱したるは郡公子一族の晋民なり。土民に阿曽辺族、津保化族あり。東西に住分なして、その歴史の層ぞ深し。

信仰ありを印とし、天地水を意趣せり。神像あらねども、巨石を築塔せしめ、口に唱へてイシカホノリガコカムイと、朝夕に唱ふるは、古代人の信仰なり。神をと書きて、祈願せりと曰ふも、後世に石に造り、素燒に造れり。

山靼より渡来人定着せしより、神をアラハバキ神とて一統信仰とせり。アラハバキ神を像とせるに、古代オリエント諸国の神々を加へて修理固成し、その要を以て像型し、やや以て人型に造れり。山靼渡来のままになるも今に遺りけるあるは、糠部戸来邑のキリスト教にてハライソ跡、今に遺りぬ。

(写眞)24
戸来邑のキリスト塚。

(写眞)25
十三湊ハライソ寺跡のキリスト地藏。(享保四年破壊さる)

此の図繪を大事とすべし。原本、秋田にて燒失せど写図にその實写正確たり。常に他見無用として、被苦を招くべからず。

寛政五年十二月廿日  秋田孝季

 

制作:F_kikaku